先日購入したダイナミックマイク SHURE SM7Bはゲインが少ないためインラインプリアンプ sE ElectronicsのDM1 DYNAMITEを利用していたのですが、更にもう少しゲインに余裕が欲しいと考えてお手頃なマイクプリアンプを探していました。結局たどり着いたのがdbx 286sというプリアンプです。マイクプリアンプの値段もピンキリなんですが、このdbx 286sはかなり格安な部類になります。
チャンネル数 | 1 |
マイクロホン入力 | 端子・形式:XLR、電子バランス インビーダンス:4.2kΩ 最大レベル:30dB(0.25Vms) |
ライン入力 | 端子・形式:標準フォーン(3P)、電子バランス インビーダンス:20kΩ 最大レベル:+21dBu |
音声出力 | 端子・形式:標準フォーン(3P)、電子バランス インビーダンス:200Ω 最大レベル:+21dBu |
周波数特性 | 20Hz〜20kHz(±0.5dB) |
THD | 0.08%(+10dBu、20Hz〜20kHz) |
ダイナミックレンジ | 105dB |
電源 | AC100V、50/60Hz |
消費電力 | 15W |
寸法(W×H×D) | 483×45×150mm(除突起部) |
質量 | 2.2kg |
サウンドハウスで購入しましたが、取り寄せで3週間ほどで届きました。
外観と機能
ラックに設置する形状になっています。かなり横幅があるので卓上に置くのは現実的ではありませんね。私は机の下面に簡易的なラックを作って設置する予定です。
MIC PREAMP
左からGAINのツマミとLEVELランプ、48Vファンタム電源スイッチ、HIGH-PASSスイッチと並んでいます。このあたりはオーディオインターフェースと同じですね。
COMPRESSOR
左側がDRIVE、右側がDENSITYのツマミです。DRIVEはいわゆるスレッショルド(threshold)のことのようでゲインリダクション量を調整します。右側のGAIN REDUCTION dBのランプを見ながら調整します。
DE-ESSER
DE-ESSERは歯擦音(サ行などの子音による耳障りな音)を抑えることができます。これにより「サシスセソ」の音が強く入りすぎるのを調整できます。
ENHANCER
ENHANCERは音の輪郭の明瞭感を高めることができます。HFツマミは高域スペクトルの強調、LFツマミは重低音を増やしながら音を濁らせる帯域を抑えます。
EXPANDER/GATE
EXPANDER/GATEではスレッショルドとレシオの調整ができます。エアコンやPCのファンの雑音を取り除くことができます。
使用環境
マイクはSHURE SM7B、そこにラインプリアンプのDM1 DYNAMITEを接続してXLRケーブルでdbx 286sに入力、LINE OUTからTRS-XLR変換ケーブルでRoland Rubix 24経由でiMacに繋いでいます。DM1 DYNAMITEを外してもいいのですが、ノイズも乗らないのでそのままで使って様子をみようと思います。
マイクプリアンプ dbx 286sを使っているので、オーディオインタフェイスのRoland Rubix 24は純粋にAD/DAコンバーターとして機能させています。本来ならオーディオインターフェースにマイクプリアンプスルーの機能があればいいのですが、Roland Rubix 24は無いのでゲインを「0」にしています。
使ってみた感想
サイズが大きいので本来はラックに収めたいところですが、今はデスクに載せているのでそこそこ圧迫感があります。機能面ではとても満足しています。ゲインに余裕ができたのはもちろんですが、ノイズがまったく聞こえなくなったのとコンプレッサーやエキスパンダーもとても使いやすいです。こんなにツマミが並んでいると怯んでしまいますが、ヘッドホンで聞きながら回してみると意外に簡単に設定できました。
USBオーディオインターフェースでいろいろと迷うのであれば、マイクプリアンプを使うのが近道な気がします。SHURE SM7Bを購入して、このマイクを上手く活かすためにDM1 DYNAMITE、dbx 286sと機材が増えてしまいましたが結果的にとても満足できるマイク環境を構築することができました。
【2021年10月6日 追記】デスク下にラックを設置
百均(ダイソー)で、アイアンウォールラック(アンティーク調)×2個、工作材料 板材600×6×120mm×2枚を使ってデスク下にラックを設置しました。費用440円、板は水性塗料でブラックに塗ってあります。デスクの奥目に設置したので足も当たらずバッチリでした。