α7IIIでの撮影ではしばらくSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAとLEICA MACRO ELMARIT R 60mmで済ませています。28mm・135mmも持っているのですがほとんど出番もなく、子供の頃からの写真歴を思い返してみると単焦点35mmって常用で使ったことが無いような。
50〜60mmの切り取ってる感じが心地よく、35mmの画角が自分にとって中途半端に感じてしまっていたのが理由でした。もちろん対象によってその感覚は変わってくるのですが、35mmの画角が目の前の景色で、50mmの画角は景色の中の興味を見つけた画角といった感じ。
今回CARL ZEISS JENA DDR FLEKTOGON 35mm F2.4を買ったのですが、きっかけはZOOMで生徒と話していた時に写真の話になり、偶然α7をお互い使っていて、もちろんレンズの話になるのですが、CARL ZEISS JENA DDR FLEKTOGON 35mm F2.4がお気に入りだとか。35mmかぁと、今まで避けてきたことに気が付きました。
本来いろいろと研究して納得した上で物事を進める性分なのですが、最近は人恋しいのかちょっとした会話や出会いとかで行動するのも良いものだと思い始め、これもこんなご時世だからでしょうか。
CARL ZEISS JENA DDR FLEKTOGON 35mm F2.4
東ドイツのCARL ZEISS JENA DDR製のレンズで、オールドレンズ入門として人気なモデルです。FlektogonとしてはF2.4となった三代目のモデルで、発売が1972年で流通量も多いため価格も安く3〜4万円で手に入れることができます。それなりに古いレンズなので、カビやホコリ、バルサム切れなど価格と相談して選ぶ必要があります。
生産 | 東ドイツ CARL ZEISS JENA DDR製 |
最短撮影距離 | レンズ先端から20cmほど |
絞り | F2.4〜F22 |
絞り羽 | 6枚 |
マウント | M42 |
M42マウントなので、SONY α7IIIに装着するためにマウントアダプターを購入しました。
気に入ったところ:寄れる
最短撮影距離が20cmほどなのですが、普段遣いのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAが50cmしか寄れないことを考えると20cmまで寄れるメリットは大きいです。常用レンズにとって「寄れる」ということが、いかに大切かを気付かされます。スナップに1本だけ持っていくなら、Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAよりもCARL ZEISS JENA DDR FLEKTOGON 35mm F2.4になりそうです。
気に入ったところ:操作感の良さ
α7IIIとのバランスが良く、絞りリング・ピントリングともに操作性は良好です。LEICA MACRO ELMARIT R 60mmは絞りリングが細いので、2本の指で挟むように回さなくてはいけないのですが、FLEKTOGON 35mmの絞りリングが適度に幅があるので1本の指だけで操作できます。
ピントリングは見た目が無骨な四角目ローレットが施されていますが、非常に滑らかでピント合わせの時間が心地よく感じます。最短撮影距離が短いのでローレットが思った以上に伸びてきます。
気に入ったところ:描写
55mmや60mmを常用している身にとって、35mmは非常に新鮮です。ありのままの日常を写す感覚で、考えすぎると躊躇してしまう画角ですが、あまり深く考えずにシャッターを切るのが楽しいです。
マルチコーティングが施されていてオールドレンズの中では逆光耐性があると思いますが、現代のレンズと比べるのは酷かもしれません。似合うレンズフードを見つけられたら付けようと思います。
肝心の描写ですが、非常にシャープで人気があるのもうなずけます。ボケはあまりキレイとは言えないので撮影時に気をつける必要がありますが、ピントを合わせた被写体の描写はオールドレンズであることを忘れてしまいます。