InDesign CC2015の新機能「Publish Online」
InDesign CC2014から固定レイアウトEPUBが書き出せるようになり、2015年にはAdobe Digital Publishing SuiteがAdobe Digital Publishing Solutionとなり、CC2015では「Publish Online(プレビュー)」が搭載されました。
Publish Onlineは、InDesignドキュメントを簡単な設定でWeb上に公開・共有することができる機能です。プレビュー版なので、変更があるかもしれませんし、不安定な部分もあるかもしれません。パスワードの設定などができれば制限が掛けられるのですが、現状ではURLを知っている人には閲覧が可能になります。
Publish Onlineはインタラクティブ機能やリッチコンテンツが利用できる
Publish Onlineへの公開が前提であれば、InDesignのインタラクティブ機能やムービーやサウンドなどのリッチコンテンツを使用することができます。
アニメーション機能
アニメーションパネルで各種アニメーションが設定可能です。モーションパスはダイレクト選択ツールやペンツールで編集することもできます。アニメーションのタイミングは、タイミングパネルで設定できます。
スライドショー
オブジェクトステートパネルを使って複数のフレームをマルチステートオブジェクトに変換し、ボタンとフォームパネルでボタンを作成しアクションを設定することでスライドショーを作成することが出来ます。
ハイパーリンクの設定
ハイパーリンクパネルを使えば、フレームやテキストに対してWebサイトへのリンクなどが設定できます。
ムービーやサウンドの利用
通常のグラフィックと同様にムービーやサウンドデータを配置することが出来ます。ムービーやサウンドの設定はメディアパネルでおこない、再生のタイミングはボタンのアクションを利用するか、ページ読み込み時に自動再生、または制御パネルによるコントロールでおこないます。
Publish Onlineの書き出し
InDesignドキュメントのレイアウトが完成したら、画面右上の「Publish Online」ボタンをクリックします。
Publish Onlineの設定画面が表示されます。「一般」ではドキュメントタイトルやドキュメントの説明、書き出すページの指定や見開きで作成したドキュメントの書き出し設定があります。書き出し時以外の時には、ファイルメニューの「Publish Online(プレビュー)」を選ぶと下記のオプション画面にアクセスできます。
「詳細」では、カバーのサムネールの指定や画像の設定をおこなえます。
右下の「OK」をクリックすると書き出しが開始されます。
書き出しが完了すると「ドキュメントを表示」ボタンが表示され、クリックするとWebブラウザで表示されます。「このURLをコピーして共有」の「コピー」をクリックすると、書き出したWebサイトのURLがコピーされるので好きな方法で共有することができます。
ソーシャルネットワークで共有のFacebookをクリックすると、自分のタイムラインなどへサイトを共有することができます。
ソーシャルネットワークで共有のtwitterをクリックすると、書き出したサイトをtwitterへツイートすることができます。
ソーシャルネットワークで共有のメールボタンをクリックすると、メールソフトが起動し新規メールにリンクが記載されます。
Publish Onlineでの表示
Publish Onlineのサイトへアクセスすると、書き出したページが表示されています。
ウインドウ下部には、ページサムネイル表示、コンテンツ表示の拡大・縮小、フルスクリーン表示、共有設定、埋め込みコードの表示、音量のオン/オフ、不正の報告などがあります。
埋め込みコードを貼り付けてみました。
公開したページへのアクセス
公開後のページへのアクセスは、ファイルメニューの「最近の公開」から最近の5つページにアクセスすることができます。
最近の5つより以前のページや公開したページの削除をするには、ファイルメニューから「Web ダッシュボード」を選びます。
ブラウザで公開したドキュメントが一覧表示され、ドキュメントへのアクセスと削除ができます。
インタラクティブ機能やリッチコンテンツが使えるのが特徴の「Publish Online」ですが、MuseやEdge Animateと連携できたり、DPSのOverlaysパネルの機能が使えるようになると表現の幅が広がると思います。
EPUBの場合はリーダーアプリによって再現性が左右されてしまうので、Webブラウザが利用できるのは大きなメリットだと感じます。電子カタログや営業ツールとして可能性が広がりそうです。
<2015年11月29日 追記>
Webダッシュボードに「Analytics」が追加されてました。
「VIEWS(ビュー数)」「READERS(ユーザ数)」「AVG. READ TIME (ユーザの平均ビュー時間)」「0.57TOTAL READ TIME(ユーザの合計ビュー時間)」が確認できます。