Cyanotype(サイアノタイプ)で遊ぼう。7年ほど前にピンホールカメラを制作した際には、「コピーアートペーパー」というドライ青焼き用紙を使用したが、今回は溶剤を用紙に塗るところから始めようと思います。
Cyanotypeで遊んでみよう
準備したもの
Cyanotypeの溶剤
Jacquard ProductsのCyanotypeインクセットをAmazonにて購入しました。ボトル内に溶剤が入っているので、水をボトルいっぱい(250ml)入れて希釈して使用します。
OHPフィルム
随分と昔に買い置きしていたものが10枚ほど残っていたので、それを使用しました。
その他
それ以外は、家にあるもので代用できるものが多いです。
- ガラス
- UV露光機または太陽光
- Cyanotypeインクを用紙に塗るスポンジか刷毛
- 水彩画用紙
- 漂白剤
作業の流れ
- Cyanotype溶剤の準備
Cyanotypeのボトルに水を入れたら振って、丸一日ほど放置しておきます。 - CyanotypeのA・Bの溶剤を指定量混ぜて、水彩画用紙に塗ったら暗所で乾かしておきます。
- OHP原稿の準備
元になる画像データを決め、Photoshopの色調補正で「白黒」と「階調の反転」の調整レイヤーを作成してOHPフィルムに出力します。 - 溶剤を塗った水彩画用紙に、OHPフィルム原稿を重ねてガラスを乗せ、露光機または太陽光で露光します。
- 露光が終了したら、バットなどに溜めた水で水彩画用紙の溶剤を洗い落とします。
水に漂白剤を入れた溶液に浸し、再び水で洗い流す。 - 用紙を乾燥させたら完成
Cyanotypeインクセットの準備
CyanotypeインクセットのA・Bのボトルに250mlずつの水を入れ、キャップをしてから振り、粉末が完全に溶解するまで24時間放置しておきます。
水彩画用紙にCyanotypeを塗布する
CyanotypeのA・Bを当量混ぜ合わせます。混ざったら水彩画用紙にスポンジや刷毛を使って塗ります。3〜5回ほど往復させた方が均一になると思います。塗り終わったら、暗所で乾燥させます。
原稿の準備
今回はOHPフィルムでネガを準備しましたが、花などの実物を使っている方も居ります。OHPフィルムを使う場合は、Photoshopで「白黒」「階調の反転」の色調補正を適用してOHPフィルムに出力します。
露光
出力したOHPフィルムと溶剤を塗布して乾燥させた水彩画用紙を重ねて固定しガラスを重ねて、UV露光機または太陽光にて露光させます。露光アンダーよりはオーバーの方が良い結果が得られるようです。
そのうち露光機は自作できればと思いますが、今回は露光をTシャツくんを使いました。Tシャツくんの場合は「手描・コピー用」の設定だと60秒、「インクジェット用」だと135秒露光されるようになっています。露光時間はテストを繰り返して算出すると良いと思いますが、「インクジェット用」の135秒で上手くいきました。
水ですすぐ
露光が終わったら、水彩画用紙を冷水ですすぎます。5分ほど掛けて十分に溶剤を洗い流します。
漂白剤を水で薄めた液に用紙を浸すことで、プリントを長持ちさせることができます。
乾燥させる
物干しなどにぶら下げて用紙を乾燥させます。時間経過で青色に濃さも変わっていきます。1日経てば落ち着くようです。
Cyanotypeをやってみて
Cyanotypeの溶剤は作り溜めしておけますし、非常に手軽にできます。消耗品もCyanotypeインクとOHPフィルム、水彩紙ぐらいなのでお財布にもやさしい。お子さんから大人まで十分楽しめると思います。
今後のアイデア
- デジカメの撮影データから処理しましたが、アナログで露光してみたくなりました。
- せっかくPhotoshopを使うのだから、コラージュやインパクトのあるビジュアルを作るべきですね
- 完成後に水彩で着色も楽しいそう
- 珈琲や紅茶で着色されている方もいるのでやってみたい
- 授業やワークショップでも、10名ほどであれば2時間〜2時間半くらいで出来そうです
- 大きいガラスや用紙を使って、大判で作るのも面白そうです
- 用紙以外にも溶剤を塗れば布や石にもプリントできるみたい