今日は、新宿区榎町にある「佐々木活字店」さんに鋳造の見学に参加してきました。
佐々木活字店
公式サイト http://sasaki-katsuji.com/
Facebook https://www.facebook.com/sasakikatsujiten
大正6年(1917年)創業で、活字の鋳造をメインに、活版印刷もされています。
一般の方に活字に興味を持ってほしいということで、活字鋳造見学会を開催されています。定員6名ということなので、参加される方は佐々木活字店さんのFacebookページをチェックしておきましょう。
私も活字に詳しいわけではなく、友達の活版印刷の方に活版の話を聞く程度なので今回の見学会を楽しみにしていました。
場所は、神楽坂駅から徒歩5分程度でしょうか、早稲田通りと外苑東通りが交差する近くにあります。
DNP(大日本印刷)の工場もあり、印刷関係の会社が数多く密集しています。多分、昔はもっともっと多かったんだと思います。
DNPの東京工場
佐々木活字店さんに到着
少し早く着いたので、店舗受付で待たせてもらいました。既に受付奥に沢山の活字が納められた棚が見えます。
新宿区の地域文化財に指定されています。
ショーケースには活版印刷のサンプルや活字見本、活版のカレンダーや手ぬぐいが置かれています。
時間になり、1階の棚を抜けて階段を2階に上がります。
2階へ上がると、すぐに沢山の鋳造機が目に飛び込んできます。佐々木活字店さんのサイトによると、自動活字鋳造機が8機、自動セルフ活字鋳造機が2機あるそうです。
今回最初に動かして頂いたのはこちらの自動活字鋳造機、5号活字を鋳造しています。上部の後ろ側に原料の鉛・すず・アンチモンの合金が溶かされていて、押し出された合金が母型に入り込み活字が出来上がります。
続いて、2号活字の鋳造。原料を多く使うので、先ほどの5号よりもゆっくりと動いてます。
真鍮でできた母型も見せてもらいました。これが活字店の財産だそうです。
こんな飾りの版もあるんですね。
続いて1階へ降りて、全自動組版機を見せて頂きました。
4000文字程度の座標が決まっており、こちらの表で文字指定で示されています。
入力することで鑽孔テープが作られ、それを読み取り活字が鋳造されます。
自動組版機と聞いて活字を自動で拾うのかと思ってましたが、その都度鋳造することに驚きました。
続いて文選を経験させて頂きました。自分の名前の文字を探します。
使用頻度の高い順で「大出張」「出張」「泥棒」で分類されていて、なぜ「泥棒」というかは「二人でひとつの共有エリアなので、隣から取る仕草」とか「下にあるので、しゃがんで取る姿」であるとか諸説あるそうですが、こういう話ってなかなかお聞きできないですよね。
「聡」の字がなかなか見つからず…。助けてもらいました。
拾った活字はお土産にいただきました。5号の明朝。
以前、temp pressの澤辺さんにもらったのは12ptかな。未使用の5号と使い込まれた活字。
最後にお見せして頂いたのがブックカバーの組版で、平川珠希さんというデザイナーとコラボレーションして作成したそうです。
東京活字組版 http://www.tokyo-katsuji.com/index.html
すごい組版ですね。組版職人とデザイナーのせめぎ合いの結晶なのでしょう。DTPになって失ったものの一つです。
書体見本帳もお土産に頂きました。
本当に為になるお話を沢山、沢山して頂きました。最近テキンに興味があり、朗文堂さんのサイトを度々訪れていたのですが、いろいろとお話が聞けて、生半可な興味で職人さんの世界に首を突っ込むべきではないのかなとも思いました。後5年くらいしたら再考してみたいと思います。取りあえず今はやるべき事をやろうかと。
知識不足なので、文章の中で変なところがあれば教えて下さい。