出力ごとのインタラクティブ機能の再現
ここまで「スライドショー」や「Webサイトの表示」などのインタラクティブ機能をInDesignで設定してきましたが、Publish OnlineやフィックスレイアウトEPUB、インタラクティブPDFのそれぞれで再現性の違いがありました。
macOS Sierraでの検証結果
下記の表は、macOS Sierra(10.12.4 Bata)環境で、Publish Onlineは「Google Chrome(56.0.2924.87)」、フィックスレイアウトEPUBは「iBooks」、インタラクティブPDFは「Adobe Acrobat Pro DC」で再現性を確認した結果です。
インタラクティブ機能 |
Publish Online |
フィックスレイアウト |
インタラクティブ |
スライドショー | ◎ | ◎ | × |
ページの移動(アクション) | ◎ | ◎ | ◎ |
ページの移動(ハイパーリンク) | ◎ | ◎ | ◎ |
Webサイトへのリンク(アクション) | ◎ | ◎ | ◎ |
Webサイトへのリンク(ハイパーリンク) | ◎ | ◎ | ◎ |
ページ内にYoutube動画の表示 | ◎ | × | × |
ページ内にGoogleマップの表示 | ◎ | × | × |
動画・サウンドの再生 | ◎ | ◎ | ◎ |
メールの送信 | ◎ | ◎ | ◎ |
InDesign アニメーション | ◎ | ◎ | × |
Animate CC アニメーション | ◎ | ◎ | × |
ページ効果 | × | × | ◎ |
ブックマーク(しおり) | × | × | ◎ |
Publish Onlineで再現できるiframeによるウィジェットは、もう少し工夫すればいろんなウィジェットが使えそうなんですが、EPUBで使えないのは当たり前なんですが残念でした。
Publish OnlineはアドビがCC 2015から始めた新しいサービスですが、前のPublishing Suiteで非常に痛い目を見ているので、突然辞めたって言われそうで信用できないですね。
フィックスレイアウトEPUBですが、電子書籍の標準フォーマットですし、アニメーションが動くのがとても魅力的なんですが、それを再現できるリーダーソフトが今のところ「iBooks」ぐらいしか無いのが残念なところです。
インタラクティブPDFは、「Adobe Reader」という無償ソフトで再現できるのが魅力です。アニメーションが再現されないのが残念です。
iOSでの検証結果
iOS 10.2.1のiPhone SEでも検証して見ました。Publish Onlineは「Safari」、フィックスレイアウトEPUBはiOS版「iBooks」、インタラクティブPDFはiOS版「Adobe Reader」で確認しました。
インタラクティブ機能 |
Publish Online |
フィックスレイアウト |
インタラクティブ |
スライドショー | ◎ | ◎ | × |
ページの移動(アクション) | ◎ | ◎ | × |
ページの移動(ハイパーリンク) | ◎ | ◎ | ◎ |
Webサイトへのリンク(アクション) | ◎ | ◎ | ◎ |
Webサイトへのリンク(ハイパーリンク) | ◎ | ◎ | ◎ |
ページ内にYoutube動画の表示 | ◎ | × | × |
ページ内にGoogleマップの表示 | ◎ | × | × |
動画・サウンドの再生 | ◎ | ◎ | × |
メールの送信 | ◎ | ◎ | ◎ |
InDesign アニメーション | ◎ | ◎ | × |
Animate CC アニメーション | ◎ | × | × |
ページ効果 | × | × | × |
ブックマーク(しおり) | × | × | ◎ |
Publish OnlineはWebブラウザで表示するのでさすがに安定しています。
iOS版iBooksで表示したフィックスレイアウトEPUBですが、残念ながらAnimate CCで作成したアニメーションは表示もされませんでした。この辺が同じEPUBリーダーアプリでも起こるのですから、リーダーアプリが変わった時の挙動がまちまちになってしまうところでしょう。
iOS版Adobe Readerで表示させたインタラクティブPDFですが、ページ移動のアクションが機能しなかったのと、動画・サウンドも再生されませんでした。更にPDFの機能であるページ効果も掛かりませんでした。
単純にインタラクティブ機能の再現性だけを言えば、Webブラウザで表示させるPublish Onlineが良いわけですが、アドベのサーバーにアップロードされる以外の選択肢が用意されてませんし、URLを知っていれば誰でもアクセスできてしまう時点で用途は限られてしまいます。
やはり期待すべきは「iBooks」並みにインタラクティブ機能が再現できるEPUBリーダーアプリがもっとリリースされるようになり、Webブラウザのように足並みが揃ってくれることでしょう。