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DTPエキスパート認証試験

DTPエキスパート認証試験
DTPエキスパート認証試験とは

講師を務めてるデザインスクールで担当している講座の1つに「DTPエキスパート認証試験対策講座」というのがあります。
「DTPエキスパート認証試験」とは、公益社団法人 日本印刷技術協会(JAGAT)が主催している印刷分野、またその周辺技術の「標準知識基準」を身につける資格制度です。毎年2回開催され、今年の3月の試験で43期になりますので20年以上の歴史のある資格制度です。

詳しくは、エキスパート認証制度 http://www.jagatexp.info

 

試験は、学科試験と実技試験に分かれています。

学科試験は基本分野[DTP概要、DTP環境、印刷メディア、ワークフロー、レイアウト、校正、文字、画像、コンテンツデータ、法令、契約]と、応用分野[色彩概論(光、色)、印刷技術概論(印刷技術概要、5大要素、網点、プリプレス、プレス、ポストプレス、情報管理、特殊印刷)、情報システム概論(コンピュータ、ソフトウェア、ネットワーク、マークアップ言語、データベース、バーコード、コンテンツ管理)、コミュニケーション概論(コミュニケーション概要、仕組と役割、技術、モラル、情報収集、プレゼンテーション、論理的思考、情報構造、評価、ディレクション、メディア特性)に分かれており、基本分野の正答率が8割以上、応用分野の正答率が6割以上で合格になります。

実技試験は、ペラ物とページ物との選択制で両方とも「制作指示書」と「作品」を約4週間で制作し、8割以上で合格になります。

試験は毎年2回行われ、試験内容も毎回2割程度が更新されています。合格者も2年毎に更新試験が実施され、新しい知識や技術、トレンドが加えられているようです。

 

資格が必要なのか?

私が教えているスクールはDTPエキスパート認証試験の指定校になっていることもあり、多くの受講生がこの資格の講座を受講されてきています。受講生や周りの方からよく質問されるのが「デザイナーに資格が必要ですか?」というものです。

私が考えるデザイナーに必要なものは、「センス」と「技術」です。「センス」はもちろんデザインセンスのことを言っていますが、その中には作り観察することで磨かれる「観察する力」も含まれますし、物事をいろんな面から捉え問題解決の方法を生み出す「思考力」も含まれますし、カタチや色や質感を屈しして視覚伝達する「クリエイティブな表現力」も含まれます。センスには鍛えられる部分もありますし、生まれつきや生まれてからの環境が培った部分もあるでしょう。

でも、どんなにセンスがあっても印刷物にするためには印刷技術を知らなくてはいけませんし、技術を知ることで生まれるクリエイティブもあると思います。頭の中にどんなに良いデザインがあろうともカタチにならなくては意味はありません。ファイルやフォルダ管理、パソコンやグラフィックソフトの知識、版・インキ・用紙の知識、カラーマネジメントの知識、文字組版の知識、製本の知識などなど、知っておくべきことは沢山あります。またWeb業界ほどでないにしろ「デジタル印刷機」「Web to Print」「電子媒体との連携」など新しい技術がどんどん生まれてきています。DTPやデジタルカメラが普及し、それまで印刷会社任せにしていた技術の領域を制作側のデザイナーが担わなくてはいけなくなっているにも関わらず、きちんとした知識もなくいい加減な処理をしているデザイナーがほとんどだと思います。

特に日本の制作現場は、米国のグラフィックソフトを使い日本語特有の組版をしなくてはいけなかったために特殊な環境が生まれてしまいましたし、その流れでデザイナーが制作したデータを印刷会社のオペレーターが修正して印刷するという過保護な状況で進んできました。出版社毎や印刷会社と制作会社毎のローカル・ルールが非常に多い状況で、そのローカル・ルールを標準だと思い込んでしまっているデザイナーも非常に多くおります。「標準化」が常に正しいとは思いませんが、標準を知った上でその時々の状況に合わせて柔軟に対応していく知識が必要です。

私がDTPエキスパート認証試験の受講を生徒に勧める理由は3つあります。1つは「技術を身につける」ためです。DTPエキスパートの筆記試験は非常に難問が多く、全てを今理解することは出来ないかもしれませんが、今後技術を勉強していく上での入り口として有効だと思います。もう1つは「効率性」です。関係する情報は書籍やメーカーサイト、印刷会社のサイトなど上手く検索すれば情報にたどり着くかもしれませんが非常に効率が悪いと思います。資格を通して勉強することである程度効率的に勉強することができるのではないかと思います。最後の1つは、これから業界に就転職を目指す方にとってのメリットです。履歴書、もしくは面接時に同程度の応募者であれば資格を取得していることで、印刷に技術や知識を勉強してきたことがプラスに働くはずです。

 

教えていて感じること

スクールではDTPエキスパート資格試験だけではなくDTP検定の対策講座も受け持っているのですが、教えていて、これからどんな技術を身につければお金になるか、今現在印刷業界はどんな問題を抱えているのかといった空気が出題される問題に垣間見ることが出来ます。広告にとっては印刷はメディアの1つでしかありませんし、出版もWebコンテンツや電子書籍などとのメディアミックスが進んでいます。そのため、いんさつ印刷産業の出荷額は右肩下がりになっています。また、印刷会社は二極化が進んでいて、標準化・効率化を進める会社と特殊技術に特化していく会社に分かれているように思います。デジタルが普及することで、どのように紙媒体に付加価値を付けていくか、また紙という媒体をどう再定義できるかが今後の印刷業界に求められているのかと感じます。

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